解答:(イ)
解説:
ま、お盆での典型的な食事の話をしていますな。大阪では精進料理、と言っても家庭でのおばんざい、炊いたん系がそのまま出されます。精進料理をベースにした、おばんざい系の食べ物と思ってもらったら。あと、精進巻き寿司とかそうめんなんかですかね。大阪南部(泉州・南河内)などでは泉州水ナスが供えられますかね。これは、精進料理とは違いますが、大阪南部独特ですかね。泉州と言えば水ナスですね。
「お盆だから精進料理」というのは、仏教の影響を受けた食文化として理解できます。精進料理は、肉や魚などの動物性食品を避け、野菜、豆類、穀類などを中心に構成する料理です。まぁ、お盆ですからね。肉や魚抜きの料理は理解できますが。ただし、お盆に家庭で食べる料理=厳密な意味での精進料理ではいと思います。実際の食卓では、地域や家庭によってかなり違いがあります。前述の通り、野菜の煮物、いわゆる「炊いたん」や、そうめん、寿司など、普段から食べている料理が「お盆の料理」として登場します。宗教上の「精進料理」→地域の習慣→各家庭の食卓という具合に、実際の食文化は少しずつ形を変えながら受け継がれてきた、と考えたほうがいいでしょう「お盆やから、今日は完全なる精進料理や!」と、そこまで厳密に考えている家庭は少ないのでは。大阪のおばちゃんあたりなら、「精進料理や言うても、家にあるもんで作ったらええねん」なんて言いそうですな。始末の精神ですかね。
ところで、会話の冒頭に出てくる、「あれ、イッコ足らんがな」も、なかなか大阪らしい表現や。標準語なら、「一つ足りないじゃないか」ですかね。ところが、「イッコ足らんがな」となると、単なる事実の指摘というより、「おいおい、なんか足らんやん」という、ちょっとしたツッコミのニュアンスが加わります。そして、その後に、「ここ泉州やで」と続きます。この一言で、「泉州で水なすを忘れたらあかんやろ」という、地域ネタになっています。地域の知識を共有していると、一気に冗談として成立するんですね。
話は今日の会話と設問に戻ります。今回のクイズでは、「泉州やから、水なす!」という大阪らしい連想を楽しんでいます。しかし、これをそのまま、「泉州ではお盆に必ず水なすを供える」と一般化するのは少し無理があります。お盆の食習慣は、地域だけでなく、家の宗派や家庭の習慣、時代によっても違います。また、泉州水なすそのものも、現在では漬物だけでなく、生食やさまざまな料理に使われる地域特産品として親しまれています。ですから今回の会話は、「泉州のお盆料理には水なすが必須!」という文化解説ではなく、「泉州といえば水なす。せっかくの泉州なんやから、入れとこか!」という、地域性を利用した大阪弁の会話として読むのがちょうどいいでしょう。この「ちょうどいい加減」が、いかにも大阪らしいところです。
とは、昔の話、と言いたいところですが、今でも家庭によっては、お盆に昔ながらの料理を用意することがあるでしょ。ただ、多くの家庭では、お盆だからといって、特に精進料理にこだわることは少なくなっているのでは。私もそう言いながら……今晩は焼肉ですからね。お盆に精進料理を食べながら、「肉はあかんで。精進料理やからな」と言っていたら、その横で焼肉の匂いがしてくる。ま、現代大阪らしい光景やろ。
大阪のお盆料理に?「あれ、イッコ足らんがな。ここ泉州やで」【大阪弁クイズ】
大阪文化編 12


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