解答:(エ)
解説:
これは大阪商人の世界で生まれた、古いけど味のある言い回しがぎっしり詰まった会話やとおもてんねん。
若い衆が「取引を取られた」と怒っているのに対して、社長はベテランらしく落ち着いた対応を見せてる。
ポイントとなる言葉を順に見ていきましょう。「ババする」、「ションベンかけられる」、「商売は牛のよだれ」です。
「ババする」は「金を払わずに逃げる」「踏み倒す」という意味。
したがって「ババされた」は「代金を踏み倒された」「金を取られた」という受け身表現。
つまり今回は「そういう被害を受けたわけちゃうやろ」と言うてはります。
「ションベンかけられる」は直訳すれば「小便をかけられる」ですが、大阪商人の世界では「軽くあしらわれる」「取引を切られる」ぐらいの意味ちゃうかな。つまり「そんなこと、商売ではようあることや」と、社長は軽く受け流しています。
「商売は牛のよだれ」。これは名言です。
牛のよだれは長く、途切れず、だら〜っと続きます。そこから「商売は細く長く、辛抱強く続けるもんや」という教えですね。まさに大阪商人の根本哲学ですね。
大阪では「ババされる」「ションベンかけられる」など、一見きつい表現でも、笑いと達観のニュアンスが同居しています。怒りを「笑い」に変えて受け流す。これが大阪商人の“粋”であり、“商売人の流儀”なんです。
その他の大阪商人用語をあげておきましょうね。
① ぼちぼち行こか
意味: 無理せず、マイペースで進もう。
解説:
急がず慌てず、余裕をもって進む大阪流の生活哲学。
「のんびりしながら、でもちゃんとやる」ぐらいの含み。
② アメとムチ
意味: 甘い顔と厳しい顔を使い分ける商売術。
解説:
大阪商人は客の顔色を見ながら、値引きも叱咤も巧みに使い分ける。
③ たこでも商売になる
意味: 工夫次第で何でも商売にできる。
解説:
「商魂たくましい」大阪人らしい表現。
元は「たこ焼き」など庶民の味を商売にした発想から。
④ のみ代は宣伝料
意味: 飲み代も人脈づくりの投資。
解説:
取引先や仲間との酒席も、商売を回すための「宣伝」。
交際費を惜しむなという教え。
⑤ 利より信用
意味: 目先の利益より信頼を優先せよ。
解説:
「一度信用失うたら商売終いや」という古くからの大阪商人の心得。
⑥ 値切るのも愛嬌
意味: 値切り交渉も大阪では人付き合いの一部。
解説:
本気で怒る人は少なく、掛け合いを楽しむ文化。
⑦ よう言うたらええ商売、悪う言うたらだまし合い
意味: 商売は紙一重。誠実さが肝心。
解説:
相手をだますか喜ばすかは、心一つ。
商売の倫理を皮肉まじりに語った表現。



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