大阪弁のようわからん表現1 -必死のパッチ-

 この辺でちょっとコラム編。

私が子供の頃、よ~はやった言葉に「必死のパッチ」ちゅう表現があります。「額に汗かいて一生懸命やっている」ということを表現するときの最上級的な表現です。近年、阪神の選手らがようつこてましたが、語源知ってはる?私らも表現自体というか音のリズムが面白いというか、とにかくすべてが大阪人好みのようで、子供の頃はよ~つこてました。語源なんか全くわかりまへんかったけどな。
ま、「パッチ」は股引のことでOKや。これは今の30代以上の大阪人やったら文句ないはずや。ただし、若い衆のことはわからんで。彼らは「パッチ」どこか「股引」言うてもわからんかもしれんな~。ま、タイツとかヒートテックとか言うたらなあかんかもな~。
「パッチ」自体の語源は朝鮮語だと思います。大阪は在日コリアンの数が多く、彼らの文化や言葉は大阪文化や大阪弁にかなり反映されています。例えば、「ちゃり」(自転車)もそうだと思いますよ。相手に頭突きくらわすことも大阪では「パチキいれる」言うたで。また、前髪にそりこみ入れることも「パチキいれる」て言うてたかも。パチキも朝鮮語から来ていると思います。この件は映画監督の井筒氏に聞いた方がええかもな。
それはええとして、「必死のパッチ」の語源な~。いろんなとこで見たら、一応、将棋の桂馬の動きが股引に似てるとこから、桂馬を「パッチ」と呼んだそうです。で、必死とは必至ともいい、EX-wordデジタル大辞典によれば「将棋で、次に必ず王将が詰む、受ける方法がない状態」を言うらしい。つまり、桂馬打たれて、あと一手でもうあかん言うときに、できた言葉が「必死の桂馬」言わんと「必死のパッチ」ちゅうたらしい。
ほんで、やられた方はしゃぁないんで、先に相手の王さん詰ますことにこれまた必死になるから、余計、必死のパッチです。
ま、これが有力な説らしいけど、いろいろ説はあるみたいやで。例えば、「パッチはく暇もないぐらい必死や」とか、「パッチしかはいてへんことを忘れるぐらい必死や」とかです。どの説を取るにしても、ズボンとか他にも言いようあると思うねんけどな。ここで、「パッチ」という言葉を使うとこが、大阪人的発想なんやろな。「必死のズボン」言うても全然おもろないけど、「必死のパッチ」は笑えるわな。少なくと大阪人の好みにはピッたしや。やっぱりなんでもおもろうしとかんとあかんねやろな~。
次回は、なぜ大阪人が面白さにこだわるのか考えましょ。誰かええ意見あったら教えてください。


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